サロンと医療を条件で分ける
脱毛サロンと医療機関の脱毛は、料金の前に「誰が・どの行為を行えるか」が法律と通知で分かれています。契約のルールも特定商取引法で別の区分になっています。
公式・公的情報の確認日:2026年10月12日
厚生労働省の通知で示された「医師でなければ行えない脱毛」
厚生労働省医政局医事課長は、平成13年11月8日付けの通知(医政医発第105号)で、次の行為を医師が行うのでなければ保健衛生上危害の生ずるおそれのある行為とし、医師免許を持たない者が業として行えば医師法第17条に違反するとしています。
「用いる機器が医療用であるか否かを問わず、レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為」
つまり、法律上の線引きは機械の名前ではなく、毛乳頭などを破壊する行為かどうかです。脱毛サロンで受ける施術がどのような仕組みか、医療機関の施術とどう違うかは、各事業者の説明を書面で確認してください。
特定商取引法では「エステティック」と「美容医療」が別の区分
| エステティック(脱毛サロン) | 美容医療(医療脱毛) | |
|---|---|---|
| 対象になる契約 | 期間1か月超・金額5万円超 | 期間1か月超・金額5万円超。脱毛は「光の照射又は針を通じて電気を流すことによる方法」が対象 |
| クーリング・オフ | 法定書面を受け取った日から8日以内 | |
| 中途解約(開始前)の上限 | 2万円 | 2万円 |
| 中途解約(開始後)の上限 | 提供済み役務の対価+「2万円」と「契約残額の10%」のいずれか低い額 | 提供済み役務の対価+「5万円」と「契約残額の20%」のいずれか低い額 |
主なリスク・副作用:医療脱毛は熱傷、炎症後色素沈着・色素脱出、硬毛化など。サロン脱毛は熱傷・皮膚障害など。自由診療は保険適用外。料金・照射範囲・肌トラブル時の費用負担を施術前に確認してください。
美容医療が特定継続的役務提供に加わったのは2017年12月1日以降の契約からです。期間が1か月を超えない契約(即日の施術のみなど)は、金額が高くても対象になりません。詳しい計算は中途解約時の精算、クーリング・オフで扱います。
エステと医療機関の線引きは痩身でも同じで、医療痩身(機器)とエステで受けられる施術と費用の違いが比べるときの参考になります。
危害の相談はサロン・医療機関の両方で
国民生活センターの2017年5月11日公表資料では、2012年度以降の約5年間に脱毛施術による危害の相談が964件あり、エステが680件、医療機関が284件でした。どちらも皮膚障害と熱傷が多く、医療機関で治療を受けた割合はエステで57.3%、医療機関で67.0%でした。同センターは、エステと医療機関で受けられる脱毛の違いを理解し、施術前にリスクの説明を十分に求めるよう呼びかけています。詳しくは脱毛トラブルの相談事例へ。
リスクと、起きたときの対応の違い
サロンと医療機関の違いは、料金や法律の区分だけでなく、肌トラブルが起きたときに誰が診るかにも出ます。
| 項目 | 脱毛サロン(エステ) | 医療脱毛(医療機関・自由診療) |
|---|---|---|
| 主なリスク | 熱傷、皮膚障害 | 熱傷、炎症後色素沈着、炎症後色素脱出、硬毛化(発生頻度は条件によって異なる) |
| その場での診断・薬 | 医師がいないためできない。皮膚科などを別に受診する | 医師が診察し、薬を処方できる。費用がコースに含まれるかは院ごとに確認 |
| 危害の相談件数(2012年度〜約5年) | 680件 | 284件 |
| そのうち医療機関で治療を受けた割合 | 57.3% | 67.0% |
| 広告のルール | 景品表示法・特定商取引法 | 医療法と医療広告ガイドライン(体験談の広告は禁止、自由診療は費用と主なリスク・副作用を記載) |
利用者数が分からないため、件数や受診割合の多い少ないだけでサロンと医療機関の安全性を比べることはできません。
硬毛化は、第118回日本皮膚科学会総会の教育講演で「2020年放送の講演で約10%という報告も紹介されている」とされ、産毛に弱い出力で照射したときに多いと説明されています。起きた場合の対処法は限られるとされているため、産毛の多い部位(背中・腕・顔など)を契約に含めるときは、事前に説明を受けてください。
よくある質問
サロンと医療脱毛、費用以外で一番違うのは何ですか?
肌トラブルが起きたときに、その場で医師の診察と薬の処方を受けられるかどうかです。サロンでは別の医療機関を受診することになります。
医療脱毛のほうがトラブルは少ないのですか?
件数だけでは比べられません。国民生活センターの集計ではエステ680件、医療機関284件ですが、利用者数が分からないため、起こりやすさの比較にはなりません。
脱毛の契約はクーリング・オフできますか?
期間が1か月を超え、金額が5万円を超える契約なら、サロン(エステ)も医療脱毛(美容医療)も、法定の書面を受け取ってから8日以内はクーリング・オフできます。
途中でやめたら、いくら請求されますか?
施術を始めた後なら、受けた分の料金に加えて、サロンは2万円か残額の10%の低いほう、医療脱毛は5万円か残額の20%の低いほうが上限です。計算例は中途解約時の精算にあります。
追記部分の確認日:2026年10月28日。料金や適用条件は契約・申告前に各公式資料で確認してください。
関連する確認:中途解約時の精算を試算 / 脱毛契約のクーリング・オフ / 医療脱毛の広告の読み方 / 脱毛の支払総額を計算 /
相談先・申込先の選び方
医療脱毛を検討する場合は、医師の診察があるか、肌トラブルが起きたときの診察・治療の費用と流れを確認します。脱毛サロンを検討する場合は、施術の仕組みと肌トラブル時の対応(提携医療機関の有無など)を確認します。施術後に異常があれば早めに医療機関を受診し、契約の問題は消費生活センター(188)に相談できます。広告の表現が気になる医療機関については、自治体の医療広告相談窓口や厚生労働省の医療機関ネットパトロールに情報提供できます。
当サイトは個別の施術の可否や効果を判断しません。持病・服薬・肌の状態がある場合は医師に相談してください。
出典(一次情報)
- 厚生労働省医政局医事課長通知「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」(平成13年11月8日 医政医発第105号/那覇市掲載PDF)
- e-Gov法令検索:医師法(第17条)
- 消費者庁 特定商取引法ガイド:特定継続的役務提供
- 東京都消費生活総合センター掲載資料:美容医療でクーリング・オフが可能なケースも!-特定商取引法に美容医療のルールが加わりました-(PDF)
- 国民生活センター:なくならない脱毛施術による危害(2017年5月11日公表)
- 厚生労働省委託:医療機関ネットパトロール 通報フォーム
特定継続的役務の対象となる医療脱毛は、提供期間が1か月を超え、契約総額が5万円を超えるなどの要件があります。8日以内の起算日は法定書面を受け取った日を1日目とします。適用範囲は消費者庁のQ&Aを確認してください。
費用だけでなく、相談先と注意点も知りたいね。